唐菓子(からくだもの)を食べる [東京散策]
和名類聚抄に「八種唐菓子」(やいろのからくだもの)と伝えられる中に「歓喜団」というお菓子があります。
写真がその歓喜団です。
「清浄歓喜団」と命名され京都の亀屋清永が作っているお菓子です。
新宿の高島屋で見つけましたので早速買ってきました。
なんともすごい形をしています。
千年を超える歴史を有するお菓子です。
小麦粉を練って餡を包んで胡麻油で揚げてあります。
構造を確認するために割って断面の撮影をしました。
当時は密教のお供えものとして使われ、庶民が口にすることはできなかったそうです。
抹香くさくて、有難みのある味でした。
「歓喜団」はインドから中国を経由して我が国伝わりました。
インドではモーダカと呼ばれたそうです。
モーダカはヒンドゥー教の神、ガネーシャが好む菓子です。
ガネーシャは我が国では「聖天様」として祭られています。
我が国の聖天様もきっとお好みのお菓子なのでしょう。
ということで事実確認のため、浅草の待乳山聖天まで行ってきました。
暇人といえばたしかに暇人なのですが。
正月を前に清掃の行き届いた境内となっています。
境内いたる所に、「巾着」と「交差する二股大根」が聖天様のシンボルとして飾られています。
案内パンフレットには巾着は「財宝で商売繁盛を表し」と説明があります。
しかし見れば「歓喜団」そっくりの形です。
単に好物のお菓子を象っただけかもしれません。
では、この大根の意味するものは何でしょう。
パンフレットには「・・・良縁を成就し、夫婦仲をよく末永く一家の和合を・・」と訳がわかったような、分からないような説明がありました。
ガネーシャ像は男女が抱き合う姿で表されることが多いと聞きます。
我が国の聖天像も多くは秘仏となってる理由も分かるような気がします。
「大根」は聖天像を穏やかな形でシンボライズしたものなのでしょう。
境内の築地塀は江戸時代のものだそうです。
時代を感じさせる風貌の塀でした。
待乳山聖天は広重や鳥居清長などの浮世絵にも描かれる風光明媚な所だったようです。
今は本堂がある高台から間近にスカイツリーを望むことが出来ます。
コメント 0