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水戸の人気(じんき) [只今出張中]

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ここ数年で三度(みたび)の水戸出張です。
水戸は、結局この人に尽きるでしょう。
何処にいらっしゃるかと思っていたら駅前でした。
水戸藩二代目藩主、「大日本史」の編纂を始めた人です。
大日本史の編纂は明治39年まで続きました。
完成まで250年の時が必要な大事業です。
一大文化事業ではありましたが、藩の財政逼迫の要因の一つとなっています。
歴史的には、財政立て直しのため過酷な検地などがおこなわれ、一揆の発生につながっています。
助さん、格さん引き連れて諸国漫遊、悪代官を懲らしめる漫遊記の世界とは異なる事象が、
その後の水戸藩では起きています。
 
水戸2015 003.jpg
大日本史の編纂事業は水戸学が生まれる土壌となりました。
天保12年(1841年)、九代藩主斉昭により、藩校弘道館が開かれます。
水戸学を思想的背景とする弘道館の教育は、幕末の尊王攘夷運動の温床となったのではと思います。
桜田門外の変、英国公使館襲撃事件、坂下門外の変、いずれも水戸藩士のかかわった事件です。
 
写真は弘道館のあった水戸城三の丸です。
県の庁舎には朝日が指し、広がる敷地には犬を駆けまわらせている人がいました。
水戸2015 005.jpg
弘道館の「学生警鐘」、寄宿生に時を告げた鐘です。
時鐘で充分なところを「警鐘」と言い切ってしまうところに、水戸人の人気(じんき)の激しさを感じませんか。
しかも、その行動はどれも政治信条の表出であるところが特徴的です。
新撰組局長芹沢鴨も常陸国芹沢村の出身、水戸学はというよりは常陸人の元々のテンションの高さを示しているようです。
藩内の派閥抗争、天狗党の争乱もそうですが、
私のようにノンポリテックな人間には行動の動機が理解しずらいところがあります。
そして過激行動は、維新後も続きます。
自由党急進派の加波山事件、大洗町の護国寺を拠点とした井上日召の血盟団事件などが思い出されます。

 水戸2015 012.jpg
散歩途中に見かけた蕎麦屋の外壁に描かれた絵です。
両手を上げて踊っている人物の頭は「ざるそば」になっています。
髪の毛で吊るされた頭の数々は、意味不明です。
店主の蕎麦に対する思い入れを描いたのではないかと思われますが、
決して食欲がそそられる壁画とななっていません。
それでも、思い立ったら形にしてしまう。
茨城県人、恐るべしです。
 
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  • 作者: 吉村 昭
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  • 発売日: 1997/06/30
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吉村昭の淡々とした事実記録で事の推移はよく理解できるのですが、そこまで当事者を駆り立てた心情が理解しがたいのは平和ボケの頭だからでしょうか。

日本暗殺秘録 [DVD]

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オムニバス形式で幕末からのテロ史を描いた映画ですが、血盟団事件についてはかなり詳しく触れています。
1969年の映画ですが、合法的政治活動の行き詰り、過激派の活動の活発化と、1970年の新安保以後の政治世相とシンクロしているような映画です。 
 

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コメント 2

下村

こんにちは。芹沢鴨については芹沢村出身説は近年否定され始めているようです。水戸に芹沢又衛門という武術の達人が居たらしく、その人の子供ではないかという話になってるようですね。
代わりに長谷川荘七という人が芹沢家の出ということで注目されてるらしく、当時は知られていなかったものの、吉村昭さんも「天狗争乱」では活躍させていました。
以下のサイトなどを読めば感心を持たれると思いますので是非。
http://gaagle.jp/gagazine/print.php?kiji_id=5294
http://rensai.jp/147379
by 下村 (2015-12-07 02:49) 

kuma

下村さん、コメントありがとうございました。
サイトも見ました。
面白いですね。
天狗争乱も改めて読んでみたいと思います。
by kuma (2015-12-09 20:44) 

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