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京都の夜 [只今出張中]

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待ちに待った、京都出張です。
京都の次の出張予定が延期となったので、出張に続けて休暇を取り、張り切って京都入りをしました。

八坂の塔と通称される法観寺、五重塔です。
日中は人の波となる産寧坂付近も朝はまだ閑散としています。

今回は夜の京都にご案内します。
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いきなり夜です。
もちろん日中はちゃんと仕事をしました。
・・・その、ご褒美に木屋町通りの飲み屋に連れて行ってもらいました。

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夏の間、鴨川沿いの木屋町通、先斗町通りの店には床と呼ばれる桟敷が造られます。
川風に吹かれながら、夏の夜を過ごす夏の風物詩です。
一度は体験してみたいと思っていましたが、京都の皆様のご厚意で実現しました。
川面を渡る夜風の中で飲む酒は格別でした。

鴨川を渡れば向こうは祇園・・・・。

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気が付けば、祇園花見小路を歩いていました。
祇園甲部は京都の五つの花街の一つです。
江戸時代、八坂神社門前で参拝者に湯茶を提供した茶店が建ち並びました。
中には団子とお茶では我慢できない人もいますので、もちろんお酒も提供されたでしょう。
むさい親父の出すお酒よりも、若い女性のお酒のほうが旨いに決まっています。
このようにして花街が形成されました。

大急ぎで祇園花街形成史を紹介しました。
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すっかり祇園で腰を落ち着けています。
祇園の町の文化を磨き上げてきたのは、京の町の旦那衆です。
京舞も文化文政の頃からといいますから、江戸の中期まで遡ります。長い伝統を持つ踊りです。
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京都の花街はお茶屋と屋形と仕出し屋で構成されます。
芸舞妓は屋形に所属し、そこで暮らします。
客はお茶屋に上がり、芸舞妓をそこへ呼びます。
お茶屋では料理を作ることはなく、仕出し屋がお茶屋まで料理を運びます。
ひとつの御座敷を盛り上げるためにこれだけの組織が関与していますので、コスト高は当然となります。

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舞妓さんはいきなりお座敷にでるのではなく、屋形に所属し、芸事を学び、京言葉から行儀作法も身に着けることから始まります。
この見習い期間中を「仕込み」といいます。
仕込み期間中が終わると、いよいよお座敷に出ます。
初めてお座敷に出ることを「店出し」というそうです。
これで晴れて舞妓となるのです。
舞妓から芸妓になることを「襟替え」と言います。
襟が赤から白に替わることを指して言うのだそうです。
ここで初めて、屋形から独立して一本立ちとなります。
ここに至るまでの習い事と着物などにかかるコストを考えると気が遠くなりそうです。

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夜も明け、早朝の花見小路です。
夜の町らしく、みごとに人影がありません。

祇園歌舞練場の庭園を特別公開中と聞きましたので、覗いてみようと思っています。
時間はまだ早いので散歩してみます。
ふらふらと・・・。(注:二日酔いではありません、ただの「ふらふら」です。)

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四条通を北に抜け、巽橋あたりまで足を延ばしました。
ここらあたりも花街です。
祇園東部と言われます。
四条通りを隔てただけですが、祇園甲部とは別の花街となっています。

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祇園歌舞練場の建物です。
大正2年建造の建物ですから結構古い建物です。
破風に飾られた「歌舞練場」の額は富岡鉄斎の筆になるものだそうです。
毎年4月の「都をどり」はこの建物が会場となっています。

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歌舞練場の庭園です。
ここの庭園は信長の弟、織田有楽斎の邸宅跡なのだそうです。
正面の建物は八坂倶楽部です。
都をどりの際、特等席のお客の待合として使用されます。

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「都をどり」のポスターです。
今年で「都をどり」は、開催回数141回を数えたそうですから1世紀以上の歴史があります。

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八坂倶楽部に展示されている「都をどり」の衣装です。
60名の芸舞妓が踊る「総おどり」がフィナーレになっています。
実はこの京友禅の着物と西陣織の帯は毎年新調されるのだそうです。

(京友禅の着物+西陣の帯)×60名×141回=総コスト

しかも、四季を踊り分けるのですから着物はこの一種類だけではないのです。
・・・・気が遠くなるようなコストを想像し、息も絶え絶えとなります。

勘定を気にする田舎者には、遊べない街だと気付きました。
今回の教訓です。


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