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根津権現 [東京散策]

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根津神社の楼門です。
日本武尊が素戔嗚尊を祭ったのが始まりと伝えられています。

この場所は、かつて綱吉の甥、甲府宰相綱豊の屋敷でした。
綱吉は「生類憐みの令」を発布し、世継ぎの誕生を願いましたが、ついに願いはかないませんでした。
宝永2年(1705)に至り、甥の綱豊(6代家宣です)を次期将軍に指名します。
綱豊の屋敷地は綱吉により寄進され、天下普請として社殿が造営されました。
千駄木にあった根津神社はこうして現在地に移ってきました。

綱吉の犬屋敷中野御囲は跡形もないですが、根津神社はなお健在です。
1706年完成の本殿、幣殿、拝殿、唐門、西門、透塀、楼門が残り、重要文化財となっています。

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権現造りと呼ばれる社殿です。
本殿と拝殿の間に「石の間」があり、本殿・拝殿が棟続きの屋根でつながる構造となっています。
拝殿の向拝の軒天を見上げました。
白く塗られた軒裏に丹塗りの垂木が走りコントラストをなしています。
その軒裏の模様が丹塗りの柱に反射し写っていることに驚きました。
柱の表面に光沢があり、鏡面のようになっているわけです。
最近修理でもしたのかとつい思いました。
実は色彩を保つため、毎年「漆拭き」を行っているのだそうです。
漆の成分を含んだ布で拭くのです。
丁寧に維持管理がされてることを感じました。

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昨日、今日は根津神社の例大祭です。
「三座ノ舞」という神楽が奉納されるそうですが、奉納は午後2時からです。
相変わらずの暑さで、とても待つ気にはなれず、参拝後さっさと帰ってきました。

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根津は千駄木の台地から落ち込んだ崖下にあります。
南面して建つ神社の西側はつつじに覆われた斜面となっています。
崖の上は、東大のキャンパスです。

明治以後、根津は吉原に次ぐ規模の遊郭があった土地です。
「大学のそばに遊郭があるのは学生にとっては好ましくない」との当局の暖かい配慮で、明治中期に遊郭は洲崎に移転させられました。
坪内逍遥の奥さんもここの遊女でした。
その後、戦前にかけては学生や文学青年相手の下宿が散在する地域となります。

「根津権現裏」、藤沢清造の小説です。
読んでみたい本です。
そして、歩くのに適した時期に再度訪れたいと考えています。
上り下りの多い地形ですので・・。

 
根津権現裏 (新潮文庫)

根津権現裏 (新潮文庫)

  • 作者: 藤澤 清造
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/06/26
  • メディア: 文庫



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