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新梅屋敷(向島百花園) [東京散策]

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梅見の時候となりました。
梅の花の鑑賞に、向島百花園まで出掛けました。

晴れた空を背景に咲く梅の花が眼に眩しく映りましたが、
吹く風はまだ冷たく、シャッターを押す指が凍えます。
 
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百花園には、東武線の東向島駅で下車します。
東向島駅を出て、東に向かうと荷風が「墨東奇譚」で描くところの旧私娼街玉の井、西へ向かうと百花園です。
無論、今日は梅見が目的ですので、西へ向かいます。

途中、寺島第二小学校の前を通過。
小学校の名前から、
つい滝田ゆうの「寺島町奇譚」も思い出しました。

妄想の林を抜け、ようやく百花園。
お姉さんの後に続いて向かう門には、太田南畝筆による「花屋敷」の額が架かります。

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しばし梅の咲き具合を鑑賞しています。
百花園は文化・文政期の骨董商、佐原掬塢(きくう)が開いたと言います。
開園当初、多くの梅を植え、亀戸の梅屋敷になぞらえて「新梅屋敷」と呼ばれたそうです。

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薩摩紅という品種だそうです。
紅色が鮮やかでした。

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梅の花を十分堪能しました。 

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百花園というだけに、季節を違え、別の花を見に来ても良いかもしれません。

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梅まつりという事で、園内では大道芸なども行われていて、それなりに賑わっています。
大黒舞いの披露です。
めでたし、めでたしの休日です。

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百花園が、亀戸の梅屋敷になぞらえて「新梅屋敷」と呼ばれたことは、既に触れました。
亀戸の梅屋敷を訪ねて、向島から亀戸まで歩いてみました。

むろん、いまは亀戸の梅屋敷は存在しません。
呉服商伊勢屋が開いた清香庵の臥龍梅は、鷹狩の途中に寄った吉宗も愛でたということから有名でした。 
かつての清香庵とは場所が違いますが、梅屋敷を称する商業施設が出来ていました。
 
百花園梅見 117.jpg
 
広重は、「名所江戸百景」で梅屋敷の臥龍梅を描いています。
その絵には、「梅屋舗」と表記されています。
「屋敷」の字は武家の居宅にしか使用を許されていなかったそうです。
それで「屋舗」の字が使われています。

ゴッホが、この広重の絵を模写しています。
表題は「花咲く梅の木」、1887年の作品です。
臥龍梅の背景に小さく描かれた見物客も忠実に模写していますが、
「梅屋舗」の字の模写は旨く行かなかったようで、
漢字もどきの字が躍っています。 

ちなみに、写真は今の梅屋敷の壁に飾られている絵で、広重の絵とは関係ありません。
 


寺島町奇譚 (ちくま文庫)

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  • 作者: 滝田 ゆう
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1988/03
  • メディア: 文庫

 

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