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万世橋駅(神田須田町あたり) [東京散策]

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ロンドンの地図を見ると、鉄道駅はロンドン中心部を避け、周辺を囲むように配置され、放射状に各地へ伸びています。
19世紀、議会がロンドン中心部への鉄道乗り入れを拒否した結果なのだそうです。

昔、パリからジュネーブへ鉄道で旅をしたことがあります。
始発点のセーヌ河畔、リヨン駅も頭端式ターミナル駅となっていました。
ヨーロッパの都市の鉄道には頭端式ターミナル駅が多くみられるようです。

明治期の東京でも、東海道線の起点は新橋駅、東北への起点は上野駅でした。
東京駅が出来たのは大正3年、東京駅を経由して新橋、上野駅間が繋がったのは大正14年のことです。
中央線も万世橋駅がターミナル駅となっていました。

神田川沿いに、かつての万世橋駅のホームがあった煉瓦造りの高架を見る事ができます。

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昔の駅舎はありませんが、今はJR東日本の商業施設エキュートとなっています。
ホームに上る階段です。
旧万世橋駅当時の造りが残っています。

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ホームに上がってみました。
現役の駅ではありませんので、通過して行く中央線快速を眺めるだけのホームです。

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施設内には、当時の駅周辺の様子が再現されていました。
煉瓦造りのターミナルにふさわしい駅舎となっています。
開業は明治45年だそうです。

当時、神田須田町は東京一の盛り場であったそうです。
「江戸東京物語(都心編)」(新潮社刊)は、その頃の様子を三遊亭円生の文章を引いて紹介しています。
須田町には「白梅亭、立花亭、小柳亭と3つも寄席があった。」のだそうです。 

須田町あたりには、蕎麦の神田藪蕎麦、松屋、あんこう鍋のいせ源、鳥すきのぼたん、甘味の竹村、洋食松栄亭、近江屋洋菓子店などがあります。
何故、これほど有名な飲食店が集中しているかと思っていましたが、疑問が氷塊しました。
ここは、東京一の盛り場だったのですね。

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神田藪蕎麦は休業中、松屋の前は相変わらず行列ができていましたので、
今回のお昼は栄ミルクホールです。
昭和20年の開業といいますから、万世橋駅が廃止となってからの店です。
しかし、緑青で彩られた看板建築が懐かしい風情を漂わせます。

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カレーライスとラーメンのセットを注文しました。
注文から間を置くことなくカレーが供され、スプーンで掬い食べかけるところへ、追いかけるようにラーメンが出てきます。
両方とも懐かしい味がしました。

ところで、松栄亭には、まだ入ったことがありません。
漱石が食べた「洋風かきあげ」を一度食べてみたいと思っています。



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