SSブログ

向田邦子の「眠る盃」を読む [お菓子]

青山菊屋 001.jpg


向田邦子のエッセイ集「眠る盃」を読んでいます。
荒城の月の「春高楼の花の宴、めぐる盃かげさして」の歌詞を
つい「眠る盃」と歌ってしまうという小文がエッセイ集の表題となっています。

さて、写真はそのエッセイ集に出てくるお菓子屋。
場所は南青山は骨董通り、菊屋という和菓子屋さんです。

青山菊屋 002.jpg


二組も客が入ればいっぱいになるようなお店ですが、ショーケースには彩り豊かなお菓子が並んでいました。

千利休が残した文献をもとにつくられたという「利休ふやき」が有名です。
この日の目的はお彼岸の御供えを実家に送ることでした。
利休ふやきは口に入ることなく、宅急便の旅に出てしまいました。

店内の壁に、買い物をする向田邦子の写真が掲げられています。

青山菊屋 004.jpg



向田邦子のエッセイで紹介されているお菓子は「水羊羹」です。
エッセイはで、水羊羹についての薀蓄を散々書いた後、文章の最後にさりげなく菊屋を紹介しています。
「粋な着物をゆったりと着た女主人が、特徴のあるハスキーな声で、行き届いた応対をしてくれます。」

応対は、エッセイ通りでした。
残念ながら、水羊羹は「新茶の出る頃から店にならび、うちわを仕舞う頃にはひっそりと姿を消す。」(エッセイより)ので、現在はありません。
代わりに買ってきたものはこれです。

青山菊屋 005.jpg


おはぎです。お彼岸ですので・・・。
「八色おはぎ」と称して8種類のおはぎが並んでいました。
写真はそのうちの二つ、ゴマときな粉です。
その右は利休まんじゅう。

上品な味のおはぎでした。
利休まんじゅうはボリュームがありました。

向田がエッセイの中で書いていた「唐衣」はいろどりがきれいなお菓子でした。
季節により銘が異なり、今は「春の道」という名で店に出ています。
これは次のお楽しみに回しました。

向田には、他に「夜中の薔薇」というエッセイ集があります。
これも歌詞。
シューベルトの「童は見たり 野中の薔薇・・・」を「夜中の薔薇」と歌ってしまうのです。
表題作の「夜中の薔薇」もたっぷりとした余韻を含んで魅力的なエッセイです。
「夜中に童が見たのは、別の薔薇ではないかというのである。子供が見てはならぬ妖しいもの、という意味らしい。」

眠る盃 (講談社文庫)

眠る盃 (講談社文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1982/06/11
  • メディア: 文庫

夜中の薔薇 (講談社文庫)

夜中の薔薇 (講談社文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1984/01/09
  • メディア: 文庫


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。