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小江戸 川越を歩く [東京以外散策]

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蔵の町として知られている川越へ行ってきました。
蔵店が並ぶ一番街の風景は壮観でした。
川越商人の経済力を感じさせる眺めとなっています。
川越繁栄のルーツを探りながら、街歩きをしてみたいと思います。
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川越は城下町です。
蔵店が立ち並ぶ一番街の北端の交差点には「札の辻」と表示があります。
ここを右折して東に向かうと市役所あたりが川越城の大手でした。

川越には江戸城の北の守りとして譜代大名が配置されています。
江戸初期、寛永期の藩主は松平伊豆守信綱です。
信綱は幕府の老中も勤め、「知恵伊豆」とも呼ばれた人物ですが、川越発展の礎を築いた人でもあると思います。

川越には太田道灌時代から城が存在していましたが、信綱は、まず、お城の拡張を行っています。
この拡張整備で、川越城は32万6千㎡の大城郭となります。
このとき城下町としての町割りも行われたに相違ありません。

お城は明治維新時に破却され、その雄姿をみることが出来ません。
写真の本丸御殿の建物が往時を偲ぶ手掛かりとなっています。

唐破風屋根の玄関が御殿らしさを残しています。
嘉永元年(1848年)の建物です。
広間の天井板にバレーボールが当たった跡がありました。
太平洋戦争後に学校の仮校舎、雨天運動場として使われた名残です。

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本丸御殿近くには、三芳野神社があります。
ここは、わらべ唄「とおりゃんせ」発祥の地とされています。
築城の際にお城の中に取り込まれてしまった神社だそうです。
番所で許されたものだけが神社の参拝が可能であり、参拝後は密偵であるかどうかの取り調べがあったそうです。
「ご用のないものとおしゃせぬ」は参拝許可のやりとり、「ゆきはよいよい帰りは怖い」は参拝後の取り調べを意味しているそうです。
情景が理解しがたい童謡と思っていましたが、合点しました。

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信綱は城郭整備の他に、江戸への舟運を開いています。
荒川へつながる新河岸川の整備を行いました。
川越周辺の農林物産を江戸運び、帰り船は江戸からの産品を積んで来ます。
人の往来も伴い、風俗、文化も江戸の風となったと思われます。
舟運が川越の商業発展の契機となります。

博物館に展示された河岸の情景です。
船に積まれた俵の数を数えて、船による物流量を感じてみました。
船には樽も積まれています。
江戸の需要を満たす醤油、酒など醸造業も盛んになったことでしょう。

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川越まつりは、江戸の粋を感じさせるお祭りとなっています。
写真は氷川神社の社殿です。
現在の社殿は天保13年起工の建物です。
一面に江戸彫りが施された華麗な造りとなっています。
ちょっと、装飾過多の感じもしますが。

慶安元年(1648年)には、松平信綱が祭礼用具を寄進し、祭礼を奨励しています。
川越まつりはここから始まりました。

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まつりは10月に行われていますが、川越まつり会館でその雰囲気を感じることができます。
現在使われている山車が飾られています。

こうして見てゆくと、現在の川越の原点は松平信綱の治政にあることが分かります。
さすが知恵伊豆として名を成した老中です。
藩主としての手腕も見事であると感じました。

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ふたたび一番街に戻り、散策を続けます。
土蔵造りの街並みを歩きます。
川越芋と呼称されるさつま芋の産地でもあり、多種多様の芋のお菓子があります。
食べ歩きしながらの散策をしました。

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亀屋は川越藩御用達のお菓子屋さんです。
店舗は、黒漆喰で塗られた土蔵造りの建物です。
母屋は平入りの土蔵造りとなっていますが、左手に見える妻入りの土蔵を「袖蔵」といいます。
かつての川越大火は町の北側が火元となり、北風に乗って燃え広がったことから、建物北側に袖蔵と称する蔵を置き、火の備えとしたと言います。

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喜多院では五百羅漢を見物しました。
ひそひそ話をする羅漢像はポスターや観光案内に良く載っていますね。
五百体以上ある羅漢像のなかでも有名人です。

残念ながら江戸城の紅葉山御殿を移築したという客殿、書院は拝観がお休みで見ることが叶いませんでした。
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これも良い像であると思います。
羅漢は、煩悩をすべて断滅して最高の境地に達した人という意味ですが、お酒などは煩悩を断滅するに手っ取り早い方法であると思います。

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川越のシンボル、時の鐘です。
お腹の鐘がそろそろお腹が空いたと鳴っています。

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川越蔵里は鏡山酒造の醸造蔵を使った観光施設です。
地酒を楽しみながら、食事をしました。
早速、「煩悩の断滅」に会い、めでたい光景が目の前に現出してしまいました。
よい、気分で帰れそうです。


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